ちょっと前に超望遠が欲しい話をしていたんですが、買ってしまいました…
というわけでRF100-500ｍｍのレビュー的な何かです。鉄オタ中心視点ですのでそこはご了承を。
良いと感じる点
焦点距離の扱いやすさ
実際に使ってみて優秀だと感じるのが、100-500mmという絶妙な焦点距離です。
望遠側が500mmあるレンズはそう多くないですが、遠くの被写体でも大きく寄って写し取ることができますし、例えば鉄道写真撮影においてはわずかな隙間から構図を作ることも可能です。焦点距離が稼げないフルサイズにはありがたい焦点距離です。
また、背景をグッと引き寄せる圧縮効果も期待できます。
一方で、広角側が100mmなので、スナップや風景写真でも使うことができます。鉄道写真においては、ある程度色々な列車の編成写真に対応できる焦点距離です。もちろんこれより引きたいこともあるにはあるんですが、自分が「撮りたい」と思う焦点距離の多くをカバーできるのは非常に魅力的です。
1本でここまで多くのケースをカバーできるレンズはほとんどないはずで、この「100-500mm」という焦点距離のレンズが存在すること自体が、他メーカーと比較したCanonの優位点であるとさえ言えると思います。
写りが良い
当然ですが、Ｌレンズなので写りも◎です。
スーパーUDレンズ1枚とUDレンズ6枚を含む14群20枚のレンズ構成を採用していて、隅々までしっかりと解像してくれます。私が使っているカメラは2020万画素のR6ですが、これが4000万画素あるR5と組み合わせて使ったりすると、その解像性能をより引き出せるだろうと思います。
この辺りは正直なかなか言葉では表現しにくい部分もあるのですが、ファインダーをのぞくとやっぱり違うと感じます。
コンパクトで軽い
光学設計の自由度が高いミラーレス用レンズということで、超望遠としては手軽な大きさ・重さにまとまっています。
EFレンズの超望遠LレンズであるEF100-400mm F4.5-5.6Lと比べると、焦点距離が100mm述べているにもかかわらず長さは207.6mmで、EF100-400ｍｍと2cmも変わりません。これをR6につけたとしても全長は合計30cm弱。全長が30cmほどだと2気室タイプのカメラリュックにレンズを付けた状態で収納することができます。旅行に行ったり、公共交通機関で移動したりするのにありがたいですし、他のレンズも1~2本持ち運ぶことができます。
また、EF100-400ｍｍが三脚座を除き1.57kgほど重量があるのに対して、RF100-500ｍｍは三脚座を除き1.37kgほどの重さしかなく、200gも軽くなっています。Canonのミラーレスでいうと、バッテリーと記録メディア込みでR6シリーズとR7が700g未満、R5シリーズが740g前後なので、合わせても2kg前後しかありません。軽いとまでは言えませんが、十分手持ち撮影でも苦にならない重さです。
レンズが軽いとレンズ自体の持ち運びも楽になりますし、耐荷重の軽い三脚で事足りることになるので、そういった点でも機材の持ち運びは楽です。
さらに、（自分は比較したことがないのですが）RF100-500はEF100-400に比べて重心がカメラ側によっているため、「200g軽くなった」以上に疲れにくいという声もあるようです。
AF精度
RFレンズ、ということでRFマウントのカメラと組み合わせたときのAF精度は高いと感じます。
具合的なデータはなく、あくまで体感レベルでの話になってしまいますが、EF70-300をR6に付けて使っていた時と比べてもAFは早く、また外れにくい感じがします。
気になる点
F値が大きい
ひと月になる点を挙げるとするなら「暗い」レンズであることです。シャッタースピードが稼げるシチュエーションならともかく、シャッタースピードを速くする必要がある動きものの撮影においては「暗いレンズ」は使いにくいと感じることもあります。勿論順光の良条件下で撮影できればほとんど気にならないのですが、列車の運転日や自分のスケジュールの都合等で悪条件下で撮影せざるを得ないケースもあり、そのようなケースではISO値が跳ね上がってしまいます。普段使っているR6が暗所に強い機材であるとはいえ少々気になるところ。
とはいえ、超望遠で明るいレンズを作ろうとすると、大きく、重く、値段の高いレンズになってしまうはずです。極端な例ですがRF100-300F2.8なんかは百万円を超える価格で到底手の出せるものではありません。中古で30万円前後という値段は自分にとってギリギリのラインでしたし、これ以上大きいレンズはなかなか持ち出しにくい、と考えると暗いのはやむを得ないかなと。諸々トータルで考えたときに一番バランスの良い塩梅がこれなんだと思います。ノイズ処理に強いraw現像ソフト（photolab、lightroon等）を導入することなどでも軽減できます。
そのうえで明るいレンズが欲しければナナニッパあたりを買い足すのがいいと思います。
値段
ミラーレスの技術を生かした超望遠Lレンズということで、値段はなかなかです。RFレンズは廉価なものとLレンズとで二極化していて、キトレンでもない限り中古でもあまり値段が落ちないので、Lレンズはなかなか高いレンズばかりです。RF100-500も例外ではなく、新品では37~41万円ほど、中古でも30万円オーバーと手軽に手の出せる金額ではないのは確かです。
とはいえ、量販店で触ってみて、このレンズ以上に重いレンズは手持ちではやや厳しいと感じたこと、100-500mm以上に自分にとって使いやすい焦点距離のレンズがないこと等を考えるとEFレンズ含めてこのレンズの役割を代替しうるレンズはないと判断し、30万円前後なら何とか工面できるということで思い切って購入することにしました。
総評
望遠レンズとしてほしい要素はすべて満たしてくれつつ、扱いやすい大きさとギリギリ手が出せる値段を実現してくれていて、「よくまとまっているレンズ」だと思います。買ってよかったです。特に、」普段望遠域で撮ることが多い人にとっては「1本あると万能なレンズ」になっています。
まだまだ自分の腕が機材に追い付いていない感はありますが、レンズを自分のものにできるように精進していきたいところです。
作例
すべてR6で撮影。
コメント