どうも、しんまちです。
Nゲージを走らせて遊ぶのに不可欠なのがパワーパック(パワーユニット、コントローラー)ですが、製品のバリエーションが多いですよね。最近、線路・パワーパック等のインフラを入れ替えることを検討していたので、備忘録もかねてまとめとして残しておこうと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
パワーパックを選ぶ時のポイント
出力
パワーパックを選ぶにあたり最も重要といってもいいのが出力です。簡単に言うと、「どれだけの電流を流せるか」ということです。動力車を複数組み込んだり、室内灯を組み込んだ車両を走らせたり、ポイントスイッチを動作させる場合は、出力の大きなパワーパックが必要になります。
必要な電力は、ざっくり以下のような感じです。
モーター車(1両) | 300mA |
ヘッドライト、テールライト(1両あたり、LED) | 30mA |
室内灯(1両あたり、LED) | 20~30mA |
ポイントスイッチ | 150mA |
つまり、
・6両編成(1モーター、室内灯あり)… 500mA程度
・10両編成(1モーター、室内灯あり)… ~1.0A程度
・15両編成(2モーター、室内灯あり)… ~1.2A程度
となります。室内灯を組み込まなければ、「2モーター+ヘッド・テールライト+ポイントスイッチ」でも1.0Aで足りることになります。
ポイントスイッチをレイアウトに組み込む場合は(ポイントの個数に関係なく)+0.15Aということになります。
制御方式
パワーパックを選ぶにあたり二つ目のポイントが制御方式です。
電圧制御方式とPWM(パルス幅変調)方式のものに分けられます。ここでは細かいことは割愛しますが、PWM方式のほうが優れていて、
・低速走行が比較的スムーズ
・停車中でもヘッド/テールライト、室内灯が点灯する(いわゆる常点灯)
といった利点があります。
現在メーカーから発売されているパワーパックは多くがPWM制御ですが、一部の廉価モデルや、廃版になった中古のパワーパックを買う際は電圧制御方式のものもあるので注意が必要です。
操作方法
最後のポイントが操作方法です。大きく二つのタイプがあり、ダイヤルやハンドルでダイレクトにスピードをコントロールできる方式と、実際の鉄道のように加減速を入力することでスピードをコントロールできるものにわかれます。
・ダイヤル方式
ダイヤルの入力が、そのまま列車の運転スピードになる方式です。滑らかに加減速するのは少し難しいですが、すぐに列車を止めたり、任意の一定のスピードに調整したりするのはやりやすいです。
・ハンドル方式
実際の鉄道と同じように、加速/減速の操作をすることで車両のスピードを操作する方式です。加減速が比較駅滑らかな点や、実際の鉄道を運転しているかのような感覚が味わえることがメリットです。ただ、車両を止めようと思っても、減速を入力してから停車するまでに時間がかかるなど、操作性にやや癖があるというデメリットがあります。
おすすめパワーパック
TOMIX
N-600

一つ目がTOMIXのN-600です。現在のベーシックセット(スターターセット)に含まれるパワーパックです。出力は1Aで、中~長編成に室内灯を組み込んだり、制御機器を大量に接続したりしなければ問題ないスペックです。制御方式はPWM方式で、TOMIX公式は常点灯対応をアナウンスはしていませんが、実質的に常点灯対応といえます。
定価は7,700円で、おそらくPWM方式のパワーパックとしては最安、中古でも結構見かけます。
私もしばらくN-600を2台使っていますが、使いやすく、お勧めできるパワーパックです。
N-1001-CL

続いてが同じくTOMIXのN-1001-CL。N-600の上位モデルにあたり、レンタルレイアウトでもよく見噛めます。出力は1.2Aと大容量、もちろんPWM制御で常点灯にも対応します。定価はN-600のほぼ倍ですが、TOMIXユーザーにとってはこれを導入しておけばまず間違いないといえます。
ちなみに、こちらは公式でも常点灯対応と明記されています。おそらくですがダイヤルにストッパーが付いていて、モーターは動かないがヘッド/テールライトは点灯するというところでダイヤルを止められるようになっていることが、N-600とは異なって常点灯対応と明記されている要因ではないかと思います。
N-DU101-CL

出力1.2A、PWM制御で常点灯対応という基本スペックはN-1001-CLと同じです。大きく異なるのは操作方法。鉄道車両のワンハンドルマスコンを模した形状となっていて、「加速/低速/減速」で操作するタイプになっています。公式ページに載っている動画を見てもわかるのですが、操作に少し癖があって慣れるまで時間がかかりそうです。実際の鉄道の操作に近いという点ではリアルですが、ここは好みがわかれるかなと思います。
レンタルレイアウト等でもほとんど見かけなかったり、N-1001CLに比べて値段が高かったりするので、そもそも触ったことがあるという人も少ない気がします。
N-DU204-CL

現行のTOMIXの最上位機種がこれです。出力が1.2A、常点灯対応というのはN-1001CLおよびN-DU101-CLと同じですが、2系統の出力ができるため、TOMIXのパワーパックではスペック最上位です。
国鉄車両を模した2ハンドルタイプの操作であるのも特徴的。それぞれのハンドルで加速/減速を操作でき実車さながらのメーターもついていて見た目も実物に近いので非常に没入感があります。
高スペックかつリアルですが、ネックになるのが値段と大きさ。定価は3万円オーバーと車両セットが買えてしまう値段ですし、395×165×119(mm)と使わないときにちょっと邪魔になりそうです。
KATO
パワーパックスタンダードSX
KATOのスタンダードなパワーパックがこちら。スタンダードといっても、スペック的には出力1.2A、常点灯対応とTOMIXでいえばN-1001-CLに相当します(KATOには、N-600クラスの廉価版パワーパックがありません)。ですので、これを持っておけばある程度色々な車両に対応可能です。
従来は青色のモデルが生産されていましたが、2024年秋から黒色にアップデートされました。
スターターセットにも付属するパワーパックで、高スペックに対して値段は安めで使いやすいパワーパックですが、ACアダプターが別売であることには注意。Nゲージ用とHOゲージ用がそれぞれ販売されています。また、スターターセットに付属しているのはスターターセット専用のACアダプターのようです。
使っている人も多く目立った欠点もない、まさに「スタンダード」なパワーパックといえます。
パワーパックハイパーDX
KATOのハイエンドモデルです。出力は驚異の2A。おそらくHOゲージで使うことをある程度念頭に置いて開発されたスペックではないかという気がします。Nゲージで1編成を動かすなら足りなくなることはほぼあり得ないレベルです。2ディレクションを装備しているので、2列車のすれ違い運転もこれ一つで対応できます。起動電圧調整機能も搭載し、常点灯にも対応しています。
ハイスペックで文句なしのパワーパックですが、ACアダプターが別売であることもあり、値段が少し高いのがネックでしょうか。
EC-1 ワンハンドル運転台形コントローラー
KATOから発売されているリアル志向のコントローラーで、2024年秋に発売されたばかりです。名前の通り実車のワンハンドルマスコンを模したコントローラーです。サウンドボックスとも連携し、とにかく実車の運転に近い感覚を味わえるでしょう。
スペック面も出力2AとハイパーDX並みです。他のコントローラー同様ACアダプターが別売であることと、ポイントスイッチが直接接続できないことは注意。
値段はなんと定価59,400円。憧れのコントローラーではありますが高いですね…
まとめ
個人的には、
・室内灯搭載車両や長編成を走らせないならリーズナブルなN-600
・それなりに長編成・室内灯を楽しみたいならN-1001-CLかスタンダードSX
・高性能のコントローラーが欲しいならハイパーDX
・新しめの実車に近い運転体験を楽しみたいならN-DU101-CLかEC-1
・古めの車両に近い運転体験を楽しみたいならNN-DU204-CL
になるかと思います。
無加工で使用するなら、TOMIXの線路にはTOMIXのコントローラー、KATOの線路にはKATOのコントローラーを選ぶのがおすすめです。しかし、フィーダー線を加工することでメーカーの壁は超えることができるので、選択肢は広く持っておくのがおすすめです(加工は自己責任で!)。
各自に合ったパワーパックがあれば、より「走らせる楽しみ」を味わえると思います。かくいう自分もどうしようか迷いどころです。色々考えて決めたいと思います。
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